カルマ論で読む『オイディプス王』

『オイディプス王』

ギリシャ神話

ソード9

ギリシャ悲劇の最高傑作と謳われている物語です。エディプスコンプレックスの語源になっていることで有名かと思います。改めて読むと『マジか…』と語彙を奪われる程の悲劇です。

『オイディプス王』では、神託を受けた登場人物たちが、それぞれ悲劇を回避するべく行動するのですが、それらがことごとく実現してしまいます。

『オイディプス王』だけでは、何でこうなるの??でしたが、前日譚『クリュシッポス』、後日譚『コロノスのオイディプス』も併せて読むことでカルマの流れを掴むことが出来ました。

この物語からは、『原因と結果がどのように応報するのか?』が見えてきます。

作中で酷い目に遭っている人は、過去に酷いことをしているのです。

まずは、預言から逃れられず、我が子オイディプスに殺されてしまうライオス王。彼は過去に恩人の息子を死に追いやったことで、神々の怒り買っていました。このカルマが、呪いのように自らを死へと追いやることになります。

それについて、少し触れておきます。ライオスはかつて恩人ペプロス王の息子クリュシッポスの家庭教師をしていました。しかし、彼がとても美しかったので犯してしまい、それを恥じたクリュシッポスは自殺してしまうのです。(諸説あります)ライオスは少年愛の始祖とも呼ばれているそうです…。(これらのカルマが、イスカオテの近親相姦や自死へと繋がってくるように思われます。)実際に、ペプロス王によって呪われ、息子をもうけることが許されず、もしもうけた場合には殺されるという運命になったという説もあります。更に、クリュシッポスの父、ペプロス王の子孫は悲惨な運命を辿る者が多く、呪われた一族とも言われているそうです。こちらも辿ると神に背いたカルマがあるのですよね。

カルマ的には、加害者は次のターンでは被害者になり、被害者は次のターンでは加害者になる…と、ざっくり理解して頂ければ良いかと思います。理解していない方向へ出来事は展開するので…。ただ、本人だけでなく、家族内で応報することもあります。ライオスのカルマがオイディプスやイスカオテに影響したように。日本にも『親の因果が子に祟り』という言葉がありますね。

こうして辿れば辿るほど、この悲劇は、もはや起こるべくして起こったとしか言いようがないのですが『オイディプス王』の作中に絞って、回避ポイントを考えてみたいと思います。

回避ポイント①ライオス王が神託に従い子供をもうけなければ良かった?

諸説あるのですが、『我が子に殺される』という預言は、イスカオテが妊娠する前にされているようです。(tarot of the divineのカードの絵には赤ちゃんがしっかり描かれていますが)ライオスは、それに背いて、酒に酔った勢いでイスカオテーを妊娠させてしまいます。ライオスが神託に畏れを抱いて自制していれば…と思わずにいられません。

回避ポイント②生まれてきた子供を殺せば良かった?

子供を神々への生贄にすることでライオスは自分へ降りかかる災厄を回避出来た可能性がありますが、これはこれで胸糞悪過ぎる展開です。

回避ポイント③オイディプスが妬まれなければ良かった?

ポリボス王を実父と信じていたオイディプスですが、その能力の高さ故、周囲から妬まれていました。『お前はポリボス王の実子ではない』と罵られたのはその為です。

この一言がなければ、オイディプスは平穏にコリントスで暮らせていたかも知れません。

回避ポイント④ポーキスの三叉路でオイディプスがライオスに道を譲れば良かった、またはその逆?

なんとライオスが殺されたのは、道を譲る譲らないという低俗な理由!譲り合っていれば運命は変わったかも知れません…

回避ポイント⑤オイディプスがテーバイで王になるのを辞退していれば良かった?

…とまぁ色々考えてみたのですが、これらのことをやったとしても、カルマの方が強くて、また別の展開になり、結局オイディプスはライオスを殺し、母イスカオテと交わることになってしまったかもしれません。神に反逆するってそういうことだと思います。

最後に、イスカオテは自死し、オイディプスは両目を潰して乞食になり、娘と共にテーバイを追われて放浪し、やがて最期を迎えます。息子たちは王位継承を巡って争った後、戦争で亡くなります。テーバイに戻った娘は、反逆者と見做された兄の遺体を埋葬した罪で投獄され自死します。

カルマが応報し続けているのは、おそらく、誰かが聖書で言うところの『灰をかぶる』をやっていないからかと思うのですが。(最後にオイディプスが目を潰し乞食になることで灰をかぶるを実践していますが、その後の展開をみると、ちゃんと悔い改められていないかも…)

誰も信仰を持っていない、神を畏怖していない。登場人物みんな傲慢なんですよね。

イスカオテに至っては『神託なんて当たらないのよ〜』なんて言ってるのです。いやいや、あんたが出家しとけば何とかなったんちゃうんか?と思わず突っ込んでしまいそう。彼女が『ジュルナール』のように身分の低い立場になっていれば、もう少し展開が変わったかもしれないです。

そもそもライオスが神を畏れていなかったのが全ての原因と言っても過言ではありません。ですが、この人たちは古代ギリシャ人なので、数代遡ればもう神様なのです。傲慢なのはある意味仕方ないのかなとも思います。それでも、『ご先祖さまを敬う』気持ちがあれば良かったですね。

何処の国の神話も、神々の関係性を通してカルマの仕組みを伝えてくれています。

『オイディプス王』は悲劇の連鎖を描くことで、私たちに、ある種の警鐘を鳴らしてくれているのかもしれません。

桃花(トウカ)先生

投稿者プロフィール カルマタロット・カルマカウンセリング

理解していない感情を理解するために出来事が発生するという『カルマの法則』を前提にタロットカードリーディングや分析をしていきます。

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